ずっと触らずにいた父の書類を片付けていたら15年くらい前のアルバムが出てきた
父は本を書いたりもした人で文章がとても上手かった
写真が趣味でその写真はきれいに整理されており、コメントや挿絵が入っている
父は寡黙で感情を言葉に表すような人ではなかった
家族の写真の横には 一行くらいの気持ちが書かれてあった
母を愛し、一目置いていた部分に胸が熱くなった
孫にはもう目が無かった
一緒に並んでいるだけで 「これ以上の何がある」と
美人だと思ってくれていた親ばかぶりには苦笑した
一枚、私一人で写っている写真には「しあわせになれよ」とあった
父が願っていたしあわせとは違うけど 「お父さん、私はしあわせです」
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